うつ病九段を読んで

プロ棋士のうつ病

今週の水曜日に、第77期順位戦B級2組の対局で、先崎九段-中村王座戦がありました。

結果は、中村王座がタイトルホルダーとしての力を見せた形となりましたが、先崎九段も一歩も退かず、素晴らしい内容となりました。

実は、この数日前に、先崎九段はこの本を出版していました。

初日に読んだ

先崎九段は「一身上の都合」として、2017年9月1日から2018年3月31日まで休場していました。

うつ病であったということは、公式戦復帰後に公表され、それまでは何があったのか、ただの将棋ファンである私は想像することしかできませんでした。

公式戦復帰からしばらく経ち、この本が出版されることが発表され、私は絶対に買おうと決めていました。

先崎九段は、明るい人という印象でしたので、うつ病になるなんて何があったんだと気になる気持ちもありましたし、何より先崎九段は、将棋界一の文才の持ち主です。

プロ棋士という特殊な職業の人が、うつ病というナイーブな病気をどのように克服し、そしてどう語るのか、、

受け継がれる米長哲学

相手がお世話になった先輩「だからこそ」一所懸命に指し、その人間が病気なら「なおさら」頑張るのがこの業界の礼節なのだ。

信じられないような感性かもしれないが、そんな世界だからこそ、たかがゲームなのに大勢の人間が将棋だけで食べていけるのである。

療養中であった先崎九段が、将棋が弱くなることを恐れるまでに回復し、弟弟子の中村王座と練習対局をしたときの話。

中村王座は、療養中の兄弟子に対して、一切の忖度も手加減もせず、真っ向からぶつかりました。

それに対しての一文が上で引用した箇所です。

 

この二人の師匠は米長邦雄永世棋聖です。

米長永世棋聖は、生前に米長哲学という素晴らしい考え方を残しました。

相手の状況に関わらず、常に自身の全力を出すという勝負師精神を、弟子の二人が受け継いでいるんです。

米長先生もきっと地獄天国で、この様子を見て喜んでいることと思いますし、私も読んでいて胸が熱くなりました。

棋士のプライド

この本の中で、先崎九段の「棋士としてのプライド」を垣間見ることができます。

気になった方は、ぜひ読んでみてください。